はじめに
偉大なことを成している人物や組織は、ほとんどのケースで誰よりも努力やコミットをしているというエピソードを聞きます。基本的には、多くの偉人が自分の時間のほとんどをミッションの実現に使っています。
ぼくは高校卒業の際、自分の将来をどうしようかと考えていたころ、自分がなりたいような憧れていたような方々を調べたところ、ほとんどの方々が非常に高くコミットしているということを知ってからは、ぼくもそれにならって、基本的に自分の成すことに生活のほぼ全ての時間を費やすことを意識しています(それ以外のことを意識的に捨てるようにしてきました)。別に嫌ではなく、一日中、趣味をしている気持ちです(めちゃくちゃ大変ですが)。いまはスタートアップとして、非常に困難なチャレンジをしており、高いコミットメントが求められる状況にいます。
ここでは、参考として、偉人のハードワークのエピソードを整理し、偉大なことを実現するには、個人レベルや組織レベルで、どれほどフォーカスする必要があるのかという目安となればと思います。
以下では、個人と組織のハードワークのエピソード、組織に関してはそのようなハードワークを実現している行動指針を整理しています。
個人のハードワークのエピソード
スタートアップの起業家
イーロン・マスク(Tesla, SpaceX創業者)
- 偉業: 民間初の軌道ロケット打ち上げ成功(SpaceX, 2008)、世界最大のEVメーカーTesla
- エピソード: 「週80〜100時間働かなければならない。週40時間の人より100時間働けば、4ヶ月で1年分の成果が出る」と公言。2008年8月、SpaceX 3度目のロケット失敗後、「決して諦めない」と宣言し、わずか7週間後に民間初の軌道到達を実現。
ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
- 偉業: Amazonを世界最大級のEC・クラウド企業に成長、Blue Origin創業
- エピソード: Amazon初期は週7日12時間労働で、本を発送するため午前3時まで作業した。
ビル・ゲイツ(Microsoft共同創業者)
- 偉業: パソコンOSの世界標準を確立、世界長者番付トップを長年維持
- エピソード: 「コードに取り組んでいる時は、終わらせる、睡眠は気にしない」、食事を惜しんで粉末オレンジジュース「タング」を手のひらに載せて舐めながら作業。20歳でMicrosoft創業、「休暇も週末も信じていなかった」、駐車場を毎日見下ろし「誰が早く帰り、誰が遅くまで残るか」を記録。
スティーブ・ジョブズ(Apple共同創業者)
- 偉業: Mac、iPod、iPhone、iPadを通じてパーソナル・コンピューティングを革新
- エピソード: 悪名高い週80時間労働を続け、「20代では本当に懸命に働いた、週7日、毎日長時間」と本人語る。毎日3〜5つの重要タスクを18時間以内に終わらせることを目標。
マーク・ザッカーバーグ(Meta/Facebook創業者)
- 偉業: 世界最大のソーシャルネットワーク、19歳でFacebook創業、23歳で世界最年少の自力億万長者に
- エピソード: 2004年1月、ハーバード大学のKirkland Hall寮に1週間引きこもり、友人を無視して食事もろくに取らず、新しいSNSサイトのコードを書き上げた。小さなノートパソコンで深夜までコーディングし、廊下向こうの男にHot Pockets(冷凍の軽食)を盗まれていたと回想。
大企業の経営者
ウォーレン・バフェット(Berkshire Hathaway)
- 偉業: 史上最も成功した投資家の1人、Berkshire Hathawayを世界最大級の持株会社に
- エピソード: 「私はただ読んで、読んで、読む。1日5〜6時間は読む。新聞5紙、雑誌、10K、年次報告書を読む」。仕事時間の約80%を読書と思考に費やすキャリアを生涯(60年以上)続ける。10歳までにオマハ公共図書館の投資関連の本をすべて読破。
ジェフ・イメルト(元GE CEO)
- 偉業: 16年間GEを率い、世界最大級のコングロマリット経営
- エピソード: 「バイオニックマネージャー」と呼ばれ、24年間にわたり週100時間労働。朝5時半のワークアウト中も新聞を読みCNBCを見ていた。
ティム・クック(Apple CEO)
- 偉業: ジョブズの後継者として、Appleを時価総額世界一の企業に成長させる
- エピソード: 朝4時半からメールを送り始め、オフィスに最初に来て最後に帰る。月曜の準備のため日曜の夜にスタッフミーティングを開いていた。
アスリート
マイケル・ジョーダン(NBA、Bulls)
- 偉業: NBAチャンピオン6回、MVP5回、オリンピック金メダル2回、史上最高の選手と評価
- エピソード: UNC時代、チームメイトJames Worthy:「2時間半のハードな練習の後、汗だくで疲れ切ってコートを出ようとすると、マイケルが私を押し戻して1on1をしようとした」。元チームメイトBrendan Haywood:「練習が11時開始でも、MJは朝8時にいた」。トレーナーTim Groverによれば、ジョーダンは1日も休みを求めず、試合の翌朝も毎回トレーニングした。
クリスティアーノ・ロナウド(サッカー)
- 偉業: バロンドール5回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝5回、男子サッカー史上最多得点記録保持者
- エピソード: 「誰よりも早く練習場に現れ、誰よりも遅く帰る」をプロ生活を通じて徹底。自宅にも数千万円の回復用カプセルを置き、食事は1日6回のクリーンな小分け食、睡眠も90分サイクルで厳密に管理。「24時間すべてをサッカーのパフォーマンス向上のために捧げる」という生活を20年以上休むことなく継続。
タイガー・ウッズ(ゴルフ)
- 偉業: メジャー大会15勝、PGAツアー82勝、史上最年少(21歳)でマスターズ優勝
- エピソード: 生後6ヶ月から父Earlのスイングを高椅子から見て学び、10ヶ月で初めてスイング、2歳で全米TVに出演し完璧なドライブを披露、3歳で9ホールを48で回った。十代でも10〜13時間の練習を毎日続けていた。
セリーナ・ウィリアムズ(テニス)
- 偉業: グランドスラム制覇23回(オープン化以降最多)、オリンピック金メダル4個。女子テニス史上最高の選手の一人。
- エピソード: 幼少期、治安の悪いコンプトン地区のひび割れた市営コートで、銃声が聞こえるような環境の中、日が暮れて真っ暗になってもボールの音と感覚だけを頼りにサーブ練習を打ち続けていました。頂点に立ってからも、「自分より才能のある選手はいるかもしれないが、自分より練習する選手は絶対にいない」と断言。
イチロー(MLB、オリックス・マリナーズ等)
- 偉業: MLB通算3,089安打、シーズン最多262安打(MLB記録)、日米通算4,367安打、首位打者2回、ゴールドグラブ10回
- エピソード: 小学校3年生から毎日トレーニングを始め、1度も止めなかった。父と毎日近所の公園で50球の投球、200回のソフトトス、50回のノックを365日続けた。夜にはバッティングセンターで250〜300球。小学校の作文に「友達と遊ぶのは年に2、3日だけ」と書いた。プロ生活で休暇は1度だけ。
トム・ブレイディ(NFL)
- 偉業: スーパーボウル制覇7回(NFL史上最多)、スーパーボウルMVP5回。激しいコンタクトスポーツであるNFLにおいて異例の45歳までトップレベルでプレー。
- エピソード: 1〜3月のオフシーズン、他のクォーターバックが休暇を取る時期に、ブレイディは毎年バハマのプライベート施設で「TB12メソッド」のトレーニングを続けていました。チームメイトたちが「彼は誰よりも早く練習場に来て、誰よりも遅く帰る」と口を揃えて証言。毎晩8:30就寝、5:30起床のルーチンを23シーズン続けた。40代に入っても若手選手と同じか、それ以上のフィルムスタディと身体トレーニングを継続しました。
学術研究者
トーマス・エジソン(発明家)
- 偉業: 1,093件の米国特許、白熱電球、蓄音機、活動写真などを実用化
- エピソード: 成人後の人生のほとんどで、平均1日18時間労働。新しいことに没頭しすぎて食事、睡眠、入浴を忘れることがあり、72時間ぶっ通しで働いた後、工房で気絶していた。印刷機の発明が失敗した際、5人の男を工場のロフトに連れて行き「動くまで降りない」と宣言。60時間ぶっ通しで作業した後、30時間眠った。65歳の時、1週間で112時間6分の労働を記録。
アンドリュー・ワイルズ(数学者、フェルマーの最終定理)
- 偉業: 358年間未解決だったフェルマーの最終定理を証明(1994年)、Abel賞受賞(2016)
- エピソード: 358年間未解決だったフェルマーの最終定理を、たった1人で7年間秘密裏に取り組み続けて証明した。「問題に対してそれほど長く取り組みたい人はほとんどいない。問題に本当に身を投じるには、ある種の人格が必要だ」と本人が語る
芸術家(美術・音楽・文学)
パブロ・ピカソ(画家、スペイン)
- 偉業: キュビスム創始、20世紀美術を革新、生涯で13,500枚以上の絵画、100,000枚の版画、300の彫刻、34,000点のイラスト
- エピソード: 1日12時間スタジオに籠もり、午後2時から夜10時まで働き、夕食後の11時から午前3時までさらに描いた。「明日に延ばしてよいのは、それをやり残して死ぬ覚悟があることだけだ」と語った。78年に及ぶキャリアを4歳から73年まで続けた
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家)
- 偉業: 交響曲第9番、ピアノソナタ32曲、聴覚を失いながら傑作を生み出した
- エピソード: 夜明けに起き、すぐ仕事に取りかかった。朝食は1杯あたりちょうど60粒のコーヒー豆を1粒ずつ数えて淹れ、午後2〜3時まで机で作業。毎日ほぼ8時間作曲した
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(作曲家)
- 偉業: クラシック音楽の最高峰。短い生涯で600曲以上の傑作を残す。
- エピソード: 「天才」の代名詞ですが、実は猛烈なワーカーです。毎朝6時に起床して作曲、日中は弟子の指導、夜は自ら演奏会に出演し、その後深夜1時まで再び作曲するという過密スケジュールをこなし、馬車での移動中すら頭の中で常に作曲をしていました。
スティーブン・キング(小説家)
- 偉業: 60以上の長編、200以上の短編、世界販売3.5億部以上
- エピソード: 毎日2,000語(約6ページ)を執筆。週末も祝日も休まない。70代でもこの習慣を維持。365日毎日執筆、午前8〜8時半から目標達成まで書き続ける。「自分の書いた言葉を毎日刻むことは、メンタルマッスルを訓練するようなもの」
組織のハードワークのエピソード
スタートアップ
Tesla
- 偉業: 世界最大のEVメーカー、自動車業界のEV移行を加速
- エピソード: 2018年Model 3生産危機の際、マスクは「私はTesla工場の床で寝た。ホテルに行けたが、わざと自分の状況を社員より悪くしたかった」と発言。2022年上海ロックダウン時、Tesla上海工場の従業員はマットレスと寝袋で工場床に寝泊まり、12時間シフトを週6日
SpaceX
- 偉業: 民間初の軌道ロケット成功、再使用ロケットを商業化、Starlinkで衛星インターネット革命
- エピソード: マスク自身が「週80〜100時間」労働を公言。Walter Isaacson『Elon Musk』(2023)によれば、SpaceXのエンジニアは「ロケット燃焼の前夜」のような切迫感で働き続け、創業期は数年間オフィスで寝泊まり
Twitter/X
- 偉業: 買収後コアチームを20%以下に縮小しサービス継続
- エピソード: 2022年11月、マスクはTwitter全社員に「extremely hardcore」となるか退社かを求めるメールを送付。「長時間・高強度の労働」を要求し、退職希望者には3ヶ月分の退職金を提示。SF本社の会議室を寝室に改造、マットレス・カーテン・モニター完備で社員が泊まり込めるよう
Amazon
- 偉業: 世界最大のECサイト、AWSでクラウド業界を創出、時価総額世界トップクラス
- エピソード: 2015年NYTの大規模調査(社員100人以上のインタビュー)により、Amazonの文化は元HRディレクターによって「purposeful Darwinism(意図的なダーウィン主義)」と表現された。癌、流産、その他個人的危機を抱えた社員も「不公平に評価された」と訴え、流産後すぐに復帰を迫られた女性の事例も。「Amazon.comでは長く・懸命に・賢く働けるが、3つから2つを選ぶことはできない」とベゾスが発言し、3つを同時に満たす必要があるように、同社の非常に厳しく、かつ高生産性を求める仕事の姿勢を表現。
Apple
- 偉業: パーソナルコンピューティング革命、iPod・iPhoneの誕生
- エピソード: 初代Macチームは「週90時間労働、それが楽しい」と書かれたTシャツを着ていた。プロジェクトの大半で週6〜7日、1日10〜13時間労働を続けた
Microsoft
- 偉業: PC OSの世界標準を確立、Office で生産性ソフトを支配
- エピソード: 「コードに取り組んでいる時は、終わらせる、睡眠は気にしない」がゲイツの哲学。粉末オレンジジュース「タング」を手に載せて舐めながら作業した。ゲイツは駐車場を見下ろして「誰が早く帰り、誰が遅くまで残るか」を毎日記録していた。
Facebook/Meta
- 偉業: 世界最大のSNSプラットフォーム、30億人以上のユーザー
- エピソード: 元社員Noah Kaganの証言:「Facebookで1日12時間以上働くのは普通だった」マスクの「Move fast and break things」が内部マントラ。ザッカーバーグは2004年1月、ハーバード寮に1週間引きこもり、友人を無視して食事もろくに取らずFacebookのコードを書き上げた。
Alibaba/中国テック「996」文化
- 偉業: 世界最大級のEC、デジタル決済(Alipay)、クラウド事業を中国で支配
- エピソード: Jack Maが「996」(朝9時〜夜9時、週6日)を「huge blessing(巨大な恵み)」と公言。「996ができるなら大きな恵みだ。Alibabaに参加したいなら1日12時間働く準備をすべき。さもなければなぜ参加するのか」と発言。JD.com創業者Richard Liuも「996を強制しないが、怠ける者は『兄弟』ではない」と発言。
ByteDance(TikTok)
- 偉業: 中国発で世界を席巻したアプリTikTok、わずか数年で時価総額3000億ドル超
- エピソード: 「Big/Small Week」制度(隔週で土曜日も出勤)、週6日勤務が事実上の標準。2021年に当局からの規制強化で公式廃止したが、依然として長時間労働文化が根強い
OpenAI(ChatGPT開発)
- 偉業: ChatGPT発表により生成AI革命を主導、評価額3000億ドル超
- エピソード: 創業期から「Move fast」文化、週60〜80時間労働が常態。Sam Altmanが「GPT-4の開発期間は、エンジニアたちが驚異的な集中力で取り組んだ」と発言。社員の多くが寝袋を持ち込んでいた時期も。
金融
Goldman Sachs(投資銀行)
- 偉業: 世界最強の投資銀行、金融M&A・IPO引受で世界トップ
- エピソード: 2021年、1年目アナリスト13人による内部調査がリーク。週100時間労働で深刻な燃え尽き、「身体的にも精神的にも辛く、本当に暗い場所にいる」。調査回答者は「110時間労働は1日4時間しか睡眠と自己ケアに残らず、非人道的だ」と訴えた
JPモルガン・チェース(投資銀行部門)
- 偉業: 世界最大級の銀行、M&A助言・引受で世界トップ
- エピソード: バルジ・ブラケット投資銀行(Goldman、JPM、BofA)の業界標準は週60〜80時間。月1度程度100時間に達することも。2013年にBank of Americaのインターン死亡をきっかけに業界全体で「保護週末」制度導入
Bridgewater Associates(世界最大ヘッジファンド)
- 偉業: 世界最大のヘッジファンド、運用資産1500億ドル超、Ray Dalio創業
- エピソード: 「徹底した透明性」「徹底した本音」の組織文化。社員間の議論はすべて録音・全社員に公開され、互いに評価を付け合う「ドット・コレクター」システムを運用。
コンサルティング
McKinsey & Company
- 偉業: 世界最大の経営コンサルティング、フォーチュン100企業の90以上に助言、世界に多数のCEOを輩出
- エピソード: 自室のデスクで深夜2時〜3時まで膨大なデータ分析とスライド(PowerPoint)の作り込みを行い、数時間寝て翌朝またクライアント先へ向かうという「週80〜100時間労働」が組織の標準的なペースとして受け継がれてきました。
Boston Consulting Group
- 偉業: McKinseyと並ぶMBB戦略コンサルファーム、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、エクスペリエンス・カーブ(経験曲線)など、現代ビジネスで当たり前に使われる戦略フレームワークの発明
- エピソード: 「思考の質」に異常なほどのこだわりを持つため、若手は上司から何度もスライドのダメ出し(Turnaround)を受け、週末も休みなく働き続けることが常態化していました。かつて、あまりの激務により優秀なコンサルタントが次々と燃え尽きて(バーンアウト)辞めていくことが深刻な組織課題となりました。合格基準を満たさない人は退社を求められる「up or out」文化。
製造業・伝統的大企業
Samsung(韓国財閥)
- 偉業: 世界最大のスマートフォン、半導体メモリメーカー
- エピソード: 「7-4制」(朝7時出勤、午後4時退勤)の体裁だが、実際は深夜まで残業が常態。「Samsung Man」は1日14時間以上働くことが珍しくない、と韓国紙Chosun Ilboなどが報道。役員は「24時間以内にメール返信」が慣行。
Foxconn(鴻海精密工業)
- 偉業: 世界最大の電子機器EMS、Apple iPhoneの主要組立会社
- エピソード: 中国深圳の工場では従業員は1日10〜12時間、週6日労働。2010年に18件の自殺未遂事件が発生し、社会問題化。寮生活で工場敷地内に居住し、生活全体が労働に組み込まれている
メディア・エンタメ
Netflix
- 偉業: 世界最大のストリーミングサービス、伝統的TVを破壊
- エピソード: 「我々は家族ではなくチームだ。少年団ではなくプロスポーツチームだ」「適正なパフォーマンスには寛大な退職金を与える」が方針。「Keeper Test」:マネージャーは「もしXが辞めたら必死に引き止めるか?」を定期的に問い、Noなら退社させる。社員は「常にオーディションを受けているような感覚」と表現される
ジブリ(スタジオ)
- 偉業: 『千と千尋の神隠し』アカデミー賞、『ハウルの動く城』ヴェネツィア賞、世界アニメーション史を代表
- エピソード: 宮崎駿の「完璧主義」が組織文化の中心。アニメーターは1秒の映像のために数日かけてセル画を描き直す。『風立ちぬ』制作中、宮崎は週6日朝9時から夜10時まで作業。原画スタッフも長時間労働で知られる
ピクサー(Pixar Animation Studios)
- 偉業: 『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『インサイド・ヘッド』などアカデミー賞21回受賞
- エピソード: 共同創業者Ed Catmullの著書によれば、製作期間中は「Crunch(追い込み)」フェーズで社員が深夜まで残り、徹夜も日常。1995年『トイ・ストーリー』完成時、John Lasseterら主要スタッフは数年間家族とほとんど会えなかった
ハードワークする組織の行動指針
スタートアップ
Tesla(イーロン・マスク)
Anti-Handbook Handbook
1. 信頼(Trust)
- 私たちは、あなたが正しいことを行うと固く信じています。だからこそ、分厚いルールブックは用意していません。
- テスラのルールは「常識(Common Sense)」に基づいています。
2. コミュニケーション(Communication)
- 問題を最速で解決するためなら、誰にでも直接話しかけて構いません。
- 上司の許可を得る必要も、階層を気にする必要もありません。別の部門のマネージャーでも、役員でも、さらにはイーロン・マスク本人に直接話に行ってもOKです。
- 情報をたらい回しにするような官僚的な手続きは絶対に許されません。
3. 職務(Job Duties)
- 「それは私の仕事ではありません(That’s not my job)」はテスラでは禁句です。
- 床にゴミが落ちていたら拾う。誰もやっていない重要なタスクがあれば自分がやる。
- 自分の仕事の枠にとらわれず、会社の成功のために必要なことは自ら見つけて実行することが求められます。
4. 遅刻と欠勤(Tardiness and Absences)
- あなたのチームはあなたを頼りにしています。もし遅刻したり、出勤できなかったりする場合は、事前にできるだけ早くチームに伝えること。
- 病気のときは無理に出社せず、家で休むこと(他の人にうつさないため)。
- 「無断欠勤(No call, no show)」は絶対に許されません。 連絡なしに出勤しなかった場合、テスラは「あなたは辞めたのだ」と見なします(即時解雇)。
5. 外部での仕事(Outside Employment)
- 別の仕事を掛け持ちすることは禁止しません。
- ただし、それがテスラの仕事のパフォーマンスに悪影響を与えたり、競合他社で働いたり、会社の機密を漏らしたりすることは認められません。
6. 馬鹿なこと(Stupid Stuff)
- 意図的に物を壊す、盗む、同僚に嫌がらせをする、会社の機密情報を外部に漏らすなど、「馬鹿なこと」をした場合は解雇されます。
- 「ハンドブックに書いていなかったからやっていいと思った」という言い訳は通用しません。常識を使ってください。
7. 楽しむこと(Fun)
- ここでの仕事を楽しんでください。新しい友人を作り、有意義な時間を過ごすこと。
- もしテスラでの仕事を楽しめないのなら、あなたは別の場所で働いたほうが幸せになれるでしょう。
SpaceX
Mission: Make Life Multiplanetary(人類を多惑星種にする)
- Engineering-First Thinking(エンジニアリング第一の思考)
- Rapid Iterative Development(高速反復開発)
- Cost Reduction(徹底的なコスト削減):再利用可能ロケットでスペースシャトル時代の約10分の1のコストを実現
- Mission-First Risk Tolerance(ミッション最優先のリスク許容度)
Amazon
16 Leadership Principles
- Customer Obsession(顧客執着):顧客から始めて逆算する
- Ownership(オーナーシップ):長期思考、「それは私の仕事ではない」と決して言わない
- Invent and Simplify(発明し、シンプル化する)
- Are Right, A Lot(正しい判断が多い):多様な視点を求め、自分の信念を否定する作業
- Learn and Be Curious(学び、好奇心を持つ)
- Hire and Develop the Best(最高の人材を採用し育成する)
- Insist on the Highest Standards(最高水準を要求する)
- Think Big(大きく考える):「小さく考えることは自己実現の予言」
- Bias for Action(行動の偏向):「ビジネスではスピードが重要」
- Frugality(倹約):「制約は機転、自給自足、発明を生む」
- Earn Trust(信頼を獲得する):自己批判的に、自分達の体臭が香水だと思わない
- Dive Deep(深く掘り下げる):「いかなる業務もリーダーの下に値しない」
- Have Backbone; Disagree and Commit(信念を持つ、反対するが、決定後はコミットする)
- Deliver Results(結果を出す)
- Strive to be Earth’s Best Employer(地球で最高の雇用主であることを追求する)
- Success and Scale Bring Broad Responsibility(成功と規模は広範な責任を伴う)
Apple
Apple Values(1981年9月23日、初版「Apple Values」社内メモ)
- 「One person, one computer」
- 「ハードに働き、楽しむ」
- 「個人と尊厳を重んじる」
- 「フィードバックと公正な対応の文化」
- 「卓越性、創造性、革新性、目的意識」
「Think Different」キャンペーン精神(1997年Jobs復帰後再定義) 「Apple at the core, its core value is that we believe that people with passion can change the world for the better.(Apple の本質、コアバリューは、情熱のある人が世界をより良く変えられると信じることだ)」(Jobs 1997年9月23日社内会議)
初代Macチームの「Pirate(海賊)」文化
- 「海軍に入るより、海賊になれ」(Jobsの有名な言葉)。Macチームのビルに海賊旗を掲げた
Tim Cook時代のApple Values(要約)
- 偉大な製品を作る
- シンプルさへの信念
- 主要技術を所有・コントロール
- 重要な貢献ができる市場のみに参入
- 数千のプロジェクトに「ノー」と言い、本当に重要なものに集中
- 深い協業とクロスポリネーション
- 自己批判の正直さ
Microsoft
創業期のミッション
- 「A computer on every desk and in every home(すべての机と家庭にコンピュータを)」(ビル・ゲイツとポール・アレン、1975年)
ゲイツ時代の文化的価値観
- “We set the standard”(業界標準を設定する)
- 「IQの高い人を採用する」(Hire smart people)
- 「ハードコアな仕事」と「Bill Reviews」(極めて厳しい技術レビュー会議)
- 「3 strikes and you’re out」(経営判断ミーティング)
Satya Nadella時代の刷新
- Mission: 「Empower every person and every organization on the planet to achieve more」
- Growth Mindset(成長マインドセット、Carol Dweck理論を採用)
Facebook/Meta
Hacker Way
- Move Fast(速く動け):「速く動いて物を壊せ。何も壊していなければ、十分速く動いていない」
- Be Bold(大胆になれ):最大のリスクは何のリスクも取らないこと
- Focus on Impact(インパクトに集中)
- Be Open(オープンであれ):情報がより多いほど、より良い決定ができる
- Build Social Value(社会的価値を作る)
社内壁面のスローガン
- 「Done is better than perfect(完璧より完了)」
- 「Move fast and break things(速く動き、物を壊せ)」(後に「Move fast with stable infrastructure」に修正)
- 「Fortune favors the bold(運命は大胆な者を好む)」
Alibaba(中国EC・テック)
Six Values(六脈神剣)
- Customer First, Employee Second, Shareholder Third(顧客第一、従業員第二、株主第三)
- Embrace Change(変化を受け入れる)
- Teamwork(チームワーク)
- Integrity(誠実)
- Passion(情熱)
- Commitment(献身)
「996」労働文化
- Jack Maが「996(朝9時〜夜9時、週6日)は巨大な恵み」と公言。「996ができるなら大きな恵み。Alibabaに参加したいなら1日12時間働く準備をすべき。さもなければなぜ参加するのか」
- 2019年4月「996を続けられる人は、金銭的利益を超えた情熱を見つけた人だ」
ByteDance(TikTok)
ByteStyle(5つの価値観)
- Be Grounded & Courageous(地に足をつけ勇敢であれ)
- Be Open & Humble(オープンで謙虚であれ)
- Stay Hungry(ハングリーであり続けよ)
- Be Candid & Clear(率直で明確であれ)
- Always Day 1(常にDay 1の精神で)
「Big/Small Week」労働システム
- 隔週で土曜出勤、週6日勤務が事実上の標準
- 2021年に当局規制で公式廃止したが、文化は残存
OpenAI(ChatGPT開発)
OpenAI の4つの原則
- Broadly Distributed Benefits(広範に分配される利益):AGIが全人類に利益をもたらす、力の不当な集中を避ける
- Long-Term Safety(長期的な安全性):安全性研究を遂行、もし価値観が一致した別組織が先にAGIに到達したら競争を止め支援する
- Technical Leadership(技術的リーダーシップ):政策・安全提唱だけでは不十分。AGI開発の最先端にいる必要がある
- Cooperative Orientation(協力志向):他の研究・政策機関と積極的に協力する
製造業
Samsung
Samsung Five Core Values(五大経営理念)
- People(人材):「企業は人なり」、人材の機会を最大限提供
- Excellence(卓越):最高の製品とサービスを開発する不断の情熱
- Change(変化):未来を見据え、市場ニーズと需要を予測
- Integrity(誠実):倫理的に運営する、すべての利害関係者への公正と透明性
- Co-prosperity(共生繁栄):株主・地域社会との共同繁栄
Foxconn(鴻海精密工業)
Terry Gou’s Management Philosophy(郭台銘語録、「Gospel of Gou」)
- 「Sustainability, Stability, Development, Technology, International(持続可能性・安定・発展・技術・国際化)」が5つの柱
- 「Execution is the integration of speed, accuracy, and precision(執行力とは、速度・準度・精度の全面的貫徹である)」
- 「Growth, thy name is suffering(成長の名は苦痛なり)」
- 「Outside the lab, there is no high-tech, only execution of discipline(実験室の外にハイテクなし、ただ規律の執行のみ)」
- 「Successful people find a way. Unsuccessful people find excuses(成功する人は方法を見つける、失敗する人は言い訳を見つける)」
- 「A harsh environment is a good thing(厳しい環境は良いことだ)」
- 「Obey, obey and absolutely obey!(服従、服従、絶対服従!)」
- 工場の最高ルール:「No sleeping, no conversing, and no laughing(居眠り禁止、私語禁止、笑い禁止)」
IT
Netflix
従業員に求める10のコア・バリュー(行動規範)
- 判断力 (Judgment)
- 曖昧な状況でも、会社にとって正しい決断を下す。
- 根本的な原因を突き止め、表面的な症状にとらわれない。
- コミュニケーション (Communication)
- 簡潔かつ明瞭に話し、書く。
- 相手の身分や立場に関係なく、常に敬意を持って接する。
- 好奇心 (Curiosity)
- 急激に、かつ貪欲に学ぶ。
- 自分たちの専門外の領域であっても、ビジネス全体を理解しようと努める。
- 勇気 (Courage)
- 議論を呼ぶようなことであっても、自分が考えていることを率直に発言する。
- 苦痛を伴う決断であっても、ためらわずに下す。
- 情熱 (Passion)
- 卓越性(エクセレンス)への渇望によって、周囲を奮い立たせる。
- Netflixの成功に対して、深い思い入れを持つ。
- 無私無欲 (Selflessness)
- 自分や自分のチームにとって何が最善かではなく、Netflixにとって何が最善かを追求する。
- エゴを持たず、良いアイデアを探し求める(誰のアイデアかは気にしない)。
- イノベーション (Innovation)
- 役に立つ新しいアイデアを生み出す。
- 複雑さを最小限に抑え、物事をシンプルに保つ。
- インクルージョン (Inclusion)
- 多様なバックグラウンドや文化を持つ人々と効果的に協力する。
- 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を認識し、それに対処する。
- 誠実さ (Integrity)
- 率直さ、本物であること、透明性があり、社内政治をしないことで知られている。
- チームメイトの陰口を叩かない(言いたいことは直接言う)。
- インパクト (Impact)
- 重要な仕事を、驚くべき量こなす。
- 常に高いパフォーマンスを発揮し、同僚から頼りにされる。
Netflixを象徴する4つの独自カルチャー(ルール)
ドリームチームと「キーパー・テスト (The Keeper Test)」:Netflixは自らを「家族」ではなく「プロスポーツのドリームチーム」と定義しています。その維持のためにマネージャーが常に自問自答するのが「キーパー・テスト」です。
- 行動基準: 「もしこのチームメンバーが他社に転職すると言ったら、自分は全力で引き留めるか?」
- この答えが「No(引き留めない)」であれば、その社員には多額の退職金(パッケージ)を支払って即座に解雇し、より優秀なスター選手を探します。「そこそこ」の成果は、たっぷりの退職金をもらって辞めてもらう対象になります。
自由と責任 (Freedom and Responsibility):優秀な大人をルールで縛ることは、スピードと柔軟性を奪うと考えます。
- 行動基準: 「Netflixの最善の利益を行動の基準とする(Act in Netflix’s best interest)」
- そのため、Netflixには「休暇規定(年間何日休んでいいか)」や「経費規定(出張費や会食費の上限)」が一切ありません。承認プロセスもなく、すべて社員個人の「常識と責任」に委ねられます。
コントロールではなく、コンテキストを (Context, Not Control):上司が部下をマイクロマネジメント(細かく指示・管理)することを固く禁じています。
- 行動基準: 優れたマネージャーは「あれをやれ」とコントロールするのではなく、戦略、目標、優先順位といった「コンテキスト(背景情報)」を徹底的に共有します。意思決定は、現場の担当者が自ら行います。
極めて率直であること (Extraordinarily Candid):陰口や社内政治を徹底的に排除し、耳の痛いことでも直接伝えることを義務付けています。
- 行動基準: 「フィードバックは贈り物(Feedback is a gift)」と考え、上司、部下、同僚に関わらず、改善のための率直なフィードバックを日常的かつ公の場で行います。本人の目の前で言えないような批判は、決して口にしてはいけません。
Google/Alphabet
Ten Things We Know to Be True(創業初期に書かれた10の信念)
- Focus on the user and all else will follow(ユーザーに集中せよ、すべてはそこから生まれる)
- It’s best to do one thing really, really well(一つのことを本当に、本当に上手にやるのが最高だ)
- Fast is better than slow(遅いより速い方がいい)
- Democracy on the web works(ウェブの民主主義は機能する)
- You don’t need to be at your desk to need an answer(答えを求めるのに机にいる必要はない)
- You can make money without doing evil(悪をなさずに金を稼げる)
- There’s always more information out there(常により多くの情報がある)
- The need for information crosses all borders(情報のニーズはすべての国境を越える)
- You can be serious without a suit(スーツなしでも真剣であれる)
- Great just isn’t good enough(「素晴らしい」だけでは十分ではない)
金融
Goldman Sachs(投資銀行)
14 Business Principles(1979年John Whiteheadが起草)
- クライアントの利益が常に最優先
- 当社の資産は、人材・資本・評判である
- 株主に優れたリターンを提供することが目標(1998年追加)
- 仕事の質に対し誇りを持つ
- 創造性と想像力を強調する
- 通常以上の努力で並外れた人材を見つけ、採用し、育成する
- 多様性とインクルージョンを重視(2001年強化)
- チームワークを強調
- 個人と会社の利益が極めて密接に結びつく仕組み
- クライアントが想定する最大のプロジェクトを引き受けられる規模、しかし親密さを保てる規模
- クライアントの急速に変化するニーズを予測し、新しいサービスを開発し続ける
- 機密情報の取り扱いは厳格に
- 競争は積極的だが、フェアに。他社を中傷しない
- 誠実さと正直さは仕事の中心
JPMorgan Chase(投資銀行・商業銀行)
How We Do Business Principles(Jamie Dimon時代に体系化、15項目の柱)
- 卓越したクライアントサービス
- オペレーショナル・エクセレンス
- 誠実、公正、責任への確固たる関与
- グレートチームと勝利の文化
Bridgewater Associates
Ray Dalio’s Principles
- Radical Truth(徹底した真実):思考や質問を、特に批判的なものほどフィルターをかけない
- Radical Transparency(徹底した透明性):ほとんどの社員にほとんどのことを見せる
- Believability-Weighted Decision Making(信頼度加重意思決定):実績ある人の意見をより重視
- Pain + Reflection = Progress(痛み+省察=進歩)
- Disagree and Commit(反対するが、決定後はコミットする)
コンサルティング
McKinsey & Company
McKinsey Values(3つの価値、Marvin Bowerが基礎を確立)
- Adhere to the highest professional standards(最高の職業的基準を遵守する)
- クライアントの利益を会社の利益より優先
- 高い倫理基準を保ち、機密を守る
- Improve our clients’ performance significantly(クライアントの業績を著しく改善する)
- “Top-management”アプローチ
- 全体的なインパクトを追求
- Create an unrivaled environment for exceptional people(卓越した人々のための比類なき環境を創る)
- 非ヒエラルキーで包括的
- 徒弟制度とメンタリングで互いを育成
- Obligation to Dissent(反対意見を述べる義務)を堅持
Boston Consulting Group (BCG)
5つの指導原則
- Bring Insight to Light(洞察を明らかにする)
- Drive Inspired Impact(インスパイアされたインパクトを追求する)
- Conquer Complexity(複雑性を征服する)
- Lead with Integrity(誠実さでリードする)
- Grow by Growing Others(他者を育てることで自らも成長する)
9つのコアバリュー:
- Integrity(誠実)
- Diversity(多様性)
- Respect for the Individual(個人の尊重)
- Clients Come First(クライアント第一)
- Strategic Perspective(戦略的視点)
- Value Delivered(価値の提供)
- Partnership(パートナーシップ)
- Expanding the Art of the Possible(可能性の拡張)
- Social Impact(社会インパクト)
おわりに
個人のエピソードを整理すると、以下のような共通性が見られます。
- 圧倒的な時間投入:週7日間の生活のほとんど全てを投入するような時間を使っています。
- 数十年単位の継続:同じハードワークを数十年単位の長期にわたって継続しています。
- 厳格な日課(ルーティン):ほぼ全員が「毎日同じ時間に同じ場所で」というルーティンを持ち、創造性を気分ではなく規律で支えていた。
組織のエピソードを整理すると、以下のような共通性が見られます。
- up or out型の選別文化:最高のパフォーマンスを示せない人は退社させる、明確なエリート集団形成をしている。
- ミッションドリブン文化:「世界を変える」「人類のため」という大義名分が極端なハードワークの精神的支柱となっている。
- 週60から100時間が標準:週60時間から100時間程度が文化的標準となっている。
- リーダーが先頭で示す:創業者・トップ自身が極端なハードワークを実演している。
組織の行動指針を整理すると、以下のような共通性が見られます。
- 究極の顧客・ミッション至上主義:ほぼすべての企業が、自社の利益や上司の顔色ではなく、「顧客」や「ミッション」を全ての判断基準の頂点に置いています。
- スピードと実行力への異常な執着:完璧な計画よりも、不完全でも「最速で動くこと」を美徳としています。ビジネスにおける最大の悪は「遅いこと」「何もしないこと」と定義されています。
- 階層(ヒエラルキー)の破壊と徹底した透明性:官僚主義や社内政治を激しく嫌い、役職に関係なく「率直に意見をぶつけ合うこと」を求めています。
- 極限の当事者意識(オーナーシップ):自分の担当業務という枠(サイロ)を越え、会社全体を自分のものとして捉える姿勢を強く求めています。
- 反対する義務と決定後の完全なコミットメント:会議で空気を読んで沈黙することは許されません。激しく議論を戦わせることを「義務」としつつ、一度決まったら文句を言わずに全力で実行する姿勢です。
- 妥協なき最高の人材の要求と厳しい選別:「そこそこの人材」を許容せず、常に最高水準の人材(Aプレイヤー)だけで組織を埋め尽くそうとする強烈な選民意識と育成文化があります。
- 失敗・リスク・変化の歓迎:現状維持や安定を「最大のリスク」とみなし、絶えず自己否定と破壊的イノベーションを行うことを求めています。
人それぞれ平等に24時間がありますが、その中でも偉大な功績を残してい人や組織は、多くの割合の時間をミッションの実現にフォーカスしているということだと思います。
偉大なことを実現するには、周囲の誰よりも高いコミットメントが求められます。好きではないことに時間を費やすことは非常に苦痛のため、自分が1日中、365日、取り組んでも苦でなく、楽しんで取り組めることや、チーム・組織を探すことが大きな成果を残すために重要なのではないかと思います。